絶品のスルメイカ(函館)

2022.06.09 函館

食の宝庫、といわれる北海道ですが、代表的なものは?と聞かれると海産物をあげる人は少なくないと思います。
今回はその海産物の中から、6月頃から漁が解禁されるスルメイカについてご紹介します。
函館といえばイカ!と答える方も多いと思いますが、函館でいうイカとは「スルメイカ」のことを指し、北海道や東北地方では「マイカ」と呼ぶころもあるそうです。
スルメイカは6月初めに漁が解禁となり、12月頃にかけて漁が行われるため、長期間に渡ってその味を楽しむことができます。

実は函館近海のスルメイカは、函館生まれではありません。ではどこかというと…東シナ海で生まれ、群れがエサを求めて日本海を北上するんです。
その途中にある函館周辺を通る際に、ちょうど食べ頃で旨味が強くなっているので、函館近海では昔から漁が盛ん、というわけです。
その歴史を辿ると、函館でイカ漁が始まったのは明治初期頃なんだとか。
また、漁というと早朝から始まるイメージのものが多いかもしれませんが、函館のイカ漁は夜間に行われ、集魚灯と呼ばれる光を付けた船が続々と沖に出ます。
たくさんの灯りを付けた船が沖出ている姿は「漁火(いさりび)」と呼ばれ、街中からその景色を見ることもできるのです。

そんなイカのおすすめの食べ方は、もちろん新鮮なイカ刺し!
函館で食べるイカの特徴は、お皿が透けてしまうくらい身が透明なことです。
「え、イカって白いんじゃ…」と思った方、その通りです。
実は、新鮮なイカは筋肉の組織が均等に並んでいるので、お皿が透けてしまうほど透明なのです。
しかし、イカは鮮度が落ちてしまうのが早いため、時間が経つとともに筋肉の組織が崩れ、不均一になってしまうため、私たちが普段口にしているイカは白いものがほとんと、ということのようです。
そう聞くと、一度は新鮮で透明なイカを食べてみたいですよね…。
気になる味はというと、コリコリとした食感があり、醤油につけて食べると絶品なんだとか!
さらに、函館のイカ刺しは、胴体を縦に切っており、これが旨味成分をより引き出している、という話もありました。

これから冬にかけて、函館近海で獲れるスルメイカ。
そこでしか食べることのできない、新鮮で透明なイカを、ぜひ一度食べに行ってみては。