北海道の冬の風物詩!ササラ電車って?

2024.11.17 ササラ電車

11月になると、いよいよ北国の北海道では平地でも雪が降り、積もり始める頃です。
道民は「根雪はいつになるんだ」ということを気にかけて生活するようにもなります。
この根雪というのは、正式名称は「長期積雪」のことで、簡単にいうと冬に積もった雪が春まで解けずに残っている状態のことをいいます。
そんな雪に関する、北海道で冬にしか見ることのできない風物詩を、今日はご紹介します。

それが「ササラ電車」です。
北海道の中でも札幌と函館のまちには、路面電車(市電)が走っています。
日本全国に路面電車が走るまちはありますが、「ササラ電車」が走っているのは、札幌と函館のみだそうです。
…といわれても、「ササラ電車」ってなに?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ササラ電車とは、路面電車の線路を除雪するための電車のことです。
「ササラ」とは竹を束ねたブラシのことで、中華鍋などを洗う時にも使われるものです。このブラシを車両に取り付けて、回転させながら線路の雪を除雪する役割を担っているのがササラ電車で、普通に乗客が乗ることはありません。
このササラ電車、実は歴史が古く、大正時代から使われていたといわれています。現代に至るまで、他の除雪方法も試したそうですが、「結局ササラで雪を払いのけるのが一番良い」となり、現在まで同じ方法で除雪され続けています。今では冬の風物詩として、札幌や函館ではしばしば見かける光景ですが、道外からの人にとっては物珍しく感じられるかもしれません。
ササラ電車は、いつ出動するか明確には決まっていません。期間でいうと例年は11月下旬から3月にかけて出動することが多いですが、除雪が必要な日に登場するので、雪が多く降っている日は札幌や函館の中心部でササラ電車の姿を探してみてください。
また、冬季の早朝は試運転も兼ねて運行していることが多いそうなので、どうしても見たい!という方は早朝にトライしてみるのがおすすめです。

北海道の中でも、札幌・函館のみで見られる風物詩・ササラ電車。
大正時代から変わらない姿で除雪を続ける様子は貴重なので必見です。
冬に旅行にいらした際は、見られたらラッキー!くらいの気持ちで、ぜひ探してみてください。